この記事は3分程度で読み終わります。
本記事では寸法の入れ方の基本的なルールと相手に伝わりやすい図面の作成方法を分かりやすく解説しています。
本記事で分かる事
- 正面図の決め方
- 寸法線の入れ方
- 同一形状が等間隔にある時の寸法の入れ方
- 図面をもっと勉強したい人向けにオススメな本
自分が思い描いている治具を生産技術に依頼したいです。
図面寸法の入れ方ってどうやるの?
図面寸法の入れ方は基本ルールが存在します。
依頼する時に分かりにくいって言われないように分かりやすく説明します。
僕の経験上、人によっては「分かりにくい図面持ってくるな」と言われ突き返されることがあります。
図面寸法の入れ方は、製品設計や建築設計など、さまざまな分野の専門的な知識がありますが、本記事は専門家の視点とは違い、初心者が図面作成する上で最低限覚えて欲しい内容になっています。
図面寸法の入れ方:基本的なルール
分かりやすい図面を作成するにしても基本的なルールは守らないといけません。
図面寸法の入れ方のルールを紹介します。
図面寸法の入れ方の基本ルール
- 出来るだけ正面図に寸法を入れる
- 2重寸法禁止
- 並列に寸法記入するルール
- 形状内に寸法をいれない
- 寸法線が重ならない
基本ルールを守りつつ自分なりにアレンジして図面作成しましょう。
ル-ル1:出来るだけ正面図に寸法を入れる
製品のどこを正面にするかは図面作成者が決められます。
ですが、相手に分かりやすい図面にするには多くの寸法が存在する所を正面図にするのが一般的な考え方です。
同じ形状の図面ですが、どちらが見やすいでしょうか。
右側の図面の方が分かりやすいと思いませんか?
見やすいだけではなく、正面図に寸法が多く入れてあるため、おおよその製品の形状が想像出来ます。
図面作成はいかに相手に伝わりやすくするのかが良い図面です。
相手側が正面図を見ただけで完成品が想像出来ればとても良い図面と言えます。
寸法配置のルール
- 寸法が多く存在する箇所を正面図にする
- 正面図では寸法を入れられない所は違う面に寸法を入れる
ル-ル2:2重寸法禁止
2重寸法は禁止になっており、計算で出せる記入不要な寸法も同様です。
相手側を分かりやすく伝えたいから全ての寸法を入れてあげたい気持ちがあってもです。
逆に寸法を入れすぎると見にくい図面になってしまいます。
左の図は同じ寸法値が所々に入れられており、読み手側からしたら目障りと感じてしまうでしょう。
同じ寸法値は記入しないようにしないといけません。
正面図の段差部分寸法20は(60-40=20)と簡単に計算出来るような寸法は寸法値を入れる必要はありません。
2重寸法禁止のルール
- 同じ寸法は記入しない
- 計算で出せる不要な寸法は記入しない(どうしても入れたい場合はカッコを使用する)
ル-ル3:寸法記入①寸法線が重ならない
寸法が同じ並列内にたくさん存在する場合があります。
だからと言って寸法線が重なりあったりすると非常に見にくい図面になります。
左側の図は寸法線が重なって見にくいと思いませんか?
右側のように並列内に寸法を入れる場合は大きい順に並べると寸法線が重ないようになります。
さらに寸法の数字が寸法線に重なったりすると相手側が寸法を見間違いをする原因になるので、注意が必要です。
寸法を入れるルール
- 並列に寸法入れる場合は大きい順に寸法を並べる
- 寸法値が寸法線に重ならない
ル-ル4:寸法記入②形状内に寸法線を出来るだけ入れない
相手に伝えやすい図面にするには、製品になる形状内に寸法線は出来るだけ入れない工夫を考えます。
形状内に寸法線があると肝心の形状が分かりにくくなり、見にくい図面になってしまいます。
右の図のように出来る限り形状の外側に寸法値、寸法線を入れるようにして下さい。
寸法を入れるルール
- 製品となる形状内に出来るだけ寸法線は入れない
- 出来る限り外側に寸法線、寸法値を入れる
ル-ル5:同一形状の表記方法
同一形状の穴径や面取りが存在する場合いちいち全部寸法値を入力していたら図面を作成する側も大変だし、相手も読みにくい図面になってしまいます。
同じ形状が等間隔にあるなら1つだけ寸法値を入れ、4つあるなら、(4×)などで省略してしまいましょう。
一か所だけ穴の大きさを示しておけば、同じ穴が複数ある事が図面上で分かります。
図面作成する時は活用して下さい。
同一形状の寸法表記のルール
- 等間隔に穴、面取りがあるなら1つだけ寸法を表記
- 同一形状が4つあるなら(4×)と入れる
【広告】図面作成をもっと勉強したい人にオススメ品
さらに勉強したい人向けに実際僕が使っている書物を紹介します。
図面の描き方がやさしくわかる本
最初から基礎を学びたい方はこちらの書物をオススメします。
内容は実務で役立つことに重点を置き、よく使う規格はボリュームをとって解説し、そうでないものはおもいきって省略してあるので現場で活躍している人にはうってつけです。
図解入門 現場で役立つ 図面の読み方・描き方
図面作成をマスタ-し、実務で大活躍したい人向けの書物です。
「図面マスターに俺はなる」って人には購入しておきたい一品です。
チャプター分けの区切りが分かりやすくて、調べたい所をピンポイントで検索できます。
JISにもとづく 標準製図法
こちらの書物は初版は1952年と超ロングセラー商品なので実績も確かです。
僕はこの書物を購入してから10年以上経過していますが、いまだに調べたい事があったら読み返したりして重宝している書物です。
相棒といった感じで、図面を作成する時は手の届く範囲内に置いてないと不安になるくらい重宝しています。
図面寸法の入れ方のコツは相手の事を考える
図面寸法の入れ方はメモを取るように自分だけ分かっていれば良いわけではありません。
ここでも触れましたが、図面は全てを物語っています。
「見にくい、分かりにくい」とか言われそう。
厳しい意見もあるでしょうが、素直に受け入れて次に繋げましょう。
図面寸法の入れ方を上手く作成出来るコツは、作成した図面を多くの現場作業員に見てもらいましょう。
センスがある人は最初から見やすい図面を作成する人がいますが、多くの人は場数を踏んでいくのが一般的です。
皆に喜ばれる図面を作成できるようお互い頑張りましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
コメント